
冷却対策なしでの夏のキッチンカー営業は危険業務です。
暑さは年々過酷さを増して車内は50℃近くにも達し熱気と湿気で汗は止まらず、集中力も奪われてしまいますよね。
そんな中、熱中症でダウンするスタッフや、食材の傷みによるクレームに悩まされる事業者も増えています。
体調を崩せばその日の営業は中止になり、さらに信頼や売上まで失うリスクもあるのが夏のキッチンカー営業のリアルです。
だからこそ、安全・快適に営業を続けるための「冷却アイテム導入」が欠かせません。
本記事では、キッチンカーという特殊な環境に合った冷却アイテム10選を、選び方のポイントとあわせて分かりやすく紹介します。
すでに運営中の方はもちろん、これからキッチンカーを開業予定の方も、夏本番を迎える前に今すぐ対策を始めましょう!
キッチンカーで暑さ対策が必要な理由

キッチンカー営業は屋外で長時間作業をする場面が多いです。
営業中の車内は調理機器の熱や直射日光にさらされ、夏場には想像以上の高温環境になります。
暑さ対策を怠ると、スタッフの体調不良や食材の劣化など、キッチンカー運営に深刻な影響を及ぼすリスクもあります。
暑さ対策が欠かせない理由は、
熱中症対策
業務上の責任問題
食中毒のリスク
などが主な要因です。
それでは、詳しく説明します!
熱中症対策
キッチンカーの車内は調理機器の熱や外気温の影響で、夏場は50℃近くまで温度が上がることがあります。
熱がこもりやすいスペースで、エアコンが使えない場合も多いため、熱中症のリスクが非常に高いです。
業務上の責任問題
複数人でキッチンカー運営をする場合は、従業員やスタッフへの配慮も必要です。
従業員やスタッフが熱中症になった場合、安全配慮義務違反として損害賠償請求のリスクもあります。
食中毒のリスク
暑さ対策を怠ると、車内が高温になって食品が腐敗しやすくなります。その結果、食中毒のリスクが高まるでしょう。
食中毒が発生した場合、顧客の健康被害や事業者へのクレーム、営業停止などが発生し、キッチンカー営業自体ができなくなる可能性があります。
冷却アイテム選びのポイント

暑さ対策の冷却アイテムは、「とにかく冷えればOK」では失敗することも少なくありません。
キッチンカーの限られた空間では、冷却性能だけでなく「どれだけ扱いやすいか、邪魔にならないか」といった実用性が重要です。
実際に現場で役立つ冷却アイテムを選ぶためにチェックすべきは、
サイズと重量
電源要件
静音性や操作性
など、冷却性能以外のポイントをおさえることが大切です。
サイズと重量
◆推奨サイズ:幅50㎝×奥行30㎝×高さ70㎝以内
◆推奨重量:20kg以下
キッチンカーの一般的な調理スペースは5㎡くらいで、家のバスタブ2つ分くらいのスペースしかありません。
限られたスペースに調理機器や冷蔵庫などの必須アイテムがありますので、設置性・取り回しの良さが重要です。
調理中や接客対応の邪魔にならないサイズを選び、持ち運びや設置が負担なくできる重量を意識して冷却アイテム選びをしましょう。
目安としては、大きくてもスーツケースくらいの大きさが快適に作業できる限界です。
電源要件
◆推奨電源:AC100V、10A以下
キッチンカーで使える電力は限られていて、1,300〜1,600Wが一般的です。
キッチンカー運営で必要な冷蔵庫・照明・換気扇・レジなどの基本機器を同時に使う場合に十分な容量ではあります。
ただし、電源が必要な冷却アイテムを追加する場合は電力供給に対応できる低消費電力モデルを選ぶことがおすすめします。
AC100V、10A以下が目安で、発電機やバッテリーとの併用も検討すると良いでしょう。
例えば、6時間の充電で満タンになるバッテリーを使う場合、消費電力約400Wのスポットクーラーであれば約2.5時間の使用が可能です。
バッテリーを大きくすればもっと長時間使えますが、サイズや重量が大きくなったり購入価格が高くなったりして負担が増えることがあります。
静音性や操作性
◆推奨騒音レベル:50dB以下
キッチンカー運営で調理と同じくらい重要なのが、お客様とのコミュニケーションです。
冷却効果の高いアイテムでも音が大きいと接客の障害になり、接客時の印象や作業効率が悪くなって売上低下のおそれもあります。
目安として家庭用エアコンの室外機程度と言われる、50dB以下の音量であればお客様とのコミュニケーションも支障なく行えるでしょう。
また、操作性も重要です。ストレスなく使えることで、キッチンカー運営の安全性や生産性を維持できます。
飲食を扱う仕事ですので、作業中に触る頻度が少ない操作性の良さや清潔感を保つための清掃・メンテナンス性も重要です。
キッチンカーにおける設備投資と費用対効果

冷却アイテムって高価なものもあるよね…?
そう思う方もいるかもしれません。
でも、まず考えるべきことは、ご自身の身体のこと。
何より一番の費用対効果は、自分自身の健康維持です。
キッチンカー運営は体が資本で、もし体調を崩して営業を休めば、その日の売上どころか今後の信頼やリズムまで崩れてしまいます。
安全・安定した営業を続けるためには、自分を守るための投資として冷却アイテムを導入することが大切です。
設備投資
冷却アイテムへの投資は、売上を上げるための攻めのコストではなく、守りの必須経費と捉えましょう。
特に以下の2点において必要な設備投資と言えるでしょう。
スタッフの熱中症リスク軽減 → 営業継続性アップ
商品衛生の確保 → 信用維持・リピーター増加
販売商品や規模にもよりますが、1日の売上がおよそ5万円前後で利益率は約50%ほどです。
稼働日数や集客が見込めるイベント出店の頻度で売上が前後しますが、あまり多い設備投資は控えた方がいいでしょう。
たとえば1日あたり5万円の売上・利益率50%(=利益2.5万円)の場合、1万円の冷却アイテムはわずか1日で投資回収が可能です。
ひと月の内半分は営業をされる方でしたら、10万円前後の冷却アイテムでも投資回収できるでしょう。
費用対効果
冷却アイテムを導入することで得られるのは、涼しい環境だけではなく以下のような効果も期待できます。
スタッフのモチベーション維持
接客品質の向上
衛生管理の徹底
営業中断リスクの軽減
一番の資産はキッチンカー運営者とスタッフの健康です。
お金には代えられない安心を得るためにも、冷却アイテムへの投資は結果的に最もコスパの良い支出になるでしょう。
必らずチェック!キッチンカーに必須な冷却アイテム4選

それでは、具体的にどのような冷却アイテムがおすすめか紹介していきます。
氷嚢・冷却ジェル
首にかけて使うU字型の氷嚢。
野外で活動するキッチンカー運営者にはこれが一番ききますね!
すぐに溶けてしまうので、3~5個持っておいて、交換しながら使っていくほうがおすすめです。
使用目的:首・頭・腕などピンポイントの冷却に適しています。最近ではネック型の氷嚢も商品化されていて、バリエーションが増えています。
サイズ:直径10〜15cm程度
重量:約300g前後(1個)
電源要件:不要(事前に凍結が必要)
操作性:使用部位に当てるだけ/手軽で誰でも使える
メリット:コストパフォーマンス抜群
こまめなリフレッシュに便利
冷却ベスト
こちらも冷却効果は抜群!
特に、長時間使用ができるので、イベントなどメインで活動される方にはおすすめです。
価格がちょっと気になりますが、、、ここは必要経費では?
1着は持っておきたい夏場のアイテムです。
使用目的:衣服内に風を送り込み、全身を継続的に冷却できます。長時間にわたって冷却アイテムに触らず作業ができるので、衛生面でも安心です。
サイズ:通常の作業着+ファン2基
重量:重量約1.2kg前後
電源要件:バッテリー内蔵(5,000〜10,000mAh)で5〜8時間稼働
操作性:ボタン操作で風量3〜4段階調整/電池交換も簡単
メリット:両手が空くので作業に集中できる
熱がこもらず快適に動ける
おすすめシーン:長時間作業やイベント営業時に最適
スポットクーラー
使用目的:強力な冷風で作業エリアを集中的に冷やします。キッチンカーでは最も効果的な冷却アイテムで、初期投資は必要ですが熱中症予防と作業効率向上が見込めます。
サイズ:幅30〜50cm
重量:重量約15〜25kg
電源要件:AC100V(消費電力200〜700W)/発電機併用推奨
操作性:液晶パネルやリモコン操作/温度設定・タイマー付きもあり
メリット:圧倒的な冷却力で熱中症リスクを大幅に軽減
設置工事不要で導入しやすい
真夏のフル営業、スタッフ2名以上での長時間作業時
◆おすすめの関連記事
アイスベスト
今年は、このアイスベストも人気ですね!
ファン付きベストよりも、安価なものがおおいですね。
使用目的:保冷剤で背中や脇などの体幹部を直接冷却できます。電力消費がなく経済的で、予備の保冷剤を用意すれば長時間使用も可能です。
サイズ:M〜Lサイズのベスト+保冷剤4〜6個
重量:約1〜1.5kg
電源要件:不要(冷凍済み保冷剤を使用)
操作性:装着は簡単/保冷剤交換もマジックテープで楽々
メリット:電源不要でランニングコストゼロ
保冷剤さえあれば繰り返し使用可能
おすすめシーン:発電機が使えないイベントや短時間営業に
あったらイイな!おすすめアイテム3選
扇風機
使用目的:調理の熱気を外に逃がし、空気を循環させることができます。ただし、風が商品に当たると品質低下の懸念がありますので設置の際には注意が必要です。
サイズ:卓上20cm前後/スタンド式で40〜60cm
重量:重さ0.8〜3kg
電源要件:AC電源 or USB充電式(5V)
操作性:ダイヤル・ボタン・リモコン操作タイプあり/首振り・タイマー機能あり
メリット:安価で風量調整も柔軟
換気を兼ねた補助的冷却が可能
おすすめシーン:調理エリアや出入口付近の熱気対策
ネッククーラー
使用目的:首元の大動脈を冷やし、効率よく全身の体温上昇を抑制します。コンパクトサイズなので持ち運びも便利です。
サイズ:本体約20〜30cm
重量:重さ150〜200g
電源要件:USB充電/1回の充電で約2〜3時間稼働
操作性:ワンタッチでON/風量3段階調整付きモデルが主流
メリット:軽量コンパクトで持ち運び自由
調理中でも邪魔にならず装着できる
おすすめシーン:終日出店や接客時のクールダウン
遮熱カーテン・サンシェード
使用目的:日差しを遮り、車内温度の上昇を抑制する冷却アイテムです。予防的な暑さ対策として効果的で、一度設置すれば長期間の使用が可能です。
サイズ:窓面に応じて100×80cm程度
重量:約0.5〜1kg
電源要件:不要
操作性:吸盤・マグネットで簡単に脱着可能/カット可の商品もあり
メリット:パッシブ対策(“予防”としての暑さ対策)に有効
他の冷却アイテムと併用することで効果UP
おすすめシーン:直射日光の強い場所への長時間出店時
見ておくといいかも!?冷却グッズ3選
携帯型ミストファン
使用目的:水分+風で一時的に体感温度を下げられます。調理中に使う冷却アイテムというよりも、休憩時や待機時間に効果的です。
また、待ち列のお客さん向けに使用すれば、待ち時間の不満軽減になるでしょう。
サイズ:高さ15〜20cm
重量:約300〜500g
電源要件:USB充電/フル稼働で2〜4時間
操作性:ボタン1つで送風+ミスト切替可/水の補充はタンク注入式
メリット:瞬間的な冷却効果が高い
顧客サービス(列待ち)にも使える
おすすめシーン:休憩中や涼感演出用
モバイル冷却マット
使用目的:接触面(座面・背中)を冷却し、体温上昇を緩やかに抑えます。調理中は使いにくいですが、運転席や休憩時に効果的です。
サイズ:40×30cm前後
重量:約500g〜1kg
電源要件:不要(冷却ジェルタイプ)またはUSB(ファン内蔵型)
操作性:敷くだけ/手間いらずで設置完了
メリット:電源なしでも即使用可能
運転席や休憩時のクールダウンに最適
おすすめシーン:移動中や作業合間の休憩タイム
首掛けファン
使用目的:首元と顔まわりを中心に送風するウェアラブル冷却アイテムです。調理作業を妨げず使用できて、長時間営業でも快適に過ごせます。
サイズ:約20×20cm
重量:約200〜300g
電源要件:USB充電式/連続使用約4〜6時間
操作性:ワンボタン操作/風量調整あり・LED表示搭載モデルもあり
メリット:両手が空き、作業や接客を妨げない
外観もスタイリッシュで印象を損なわない
おすすめシーン:調理中・接客中に涼しさを保ちたい場面
補足 どれを選ぶべき?
優先順位によっておすすめの冷却アイテムが異なります。金額だけでなく、電源要件や作業性などを考慮して選びましょう。
電源が確保できない:アイスベスト/冷却マット/氷嚢
長時間快適にが働きたい:ファン付き作業着/スポットクーラー
手軽に使いたい:ネッククーラー/首掛けファン
お客様への配慮もしたい:ミストファン/遮熱カーテン
まとめ

気になる冷却アイテムは見つかりましたか?
夏場のキッチンカー営業を、安全に乗り切るためにも、おすすめの冷却グッズを試してみてください。
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みんなで暑い夏を乗り切って、もっと楽しくもっと稼げるキッチンカー営業を目指しましょう!